
IT導入・システム開発のプロジェクトが立ち上がる時は、何かしらの事業計画に基づいて実行されることが多いです。
であるがゆえに、事業の計画を達成するために、事業としてやるべきことのスケジュールや予算内に実行されなければならないという制約が発生します。
事業計画としてよくあることではあるのですが、その時点で失敗へと突き進んでしまっていることがあります。
IT導入・システム開発を実施するにあたって、これ以上出せない予算が決まっているのにやることは多くある
地方自治体が施設利用料を管理するシステムについて刷新を図ろうとしました。
既存システムの料金管理システムが存在し、既存の仕様をもとにして新たな要件を加えたうえで、新システムを構築するという計画となっていました。
地方自治体はITベンダーに要求を伝え、提案された見積をもとに予算を策定しました。
システム開発がスタートし、テスト段階に入ってきたところで、細かい仕様変更が多く発生してきました。
期待しているものと違っているというのが多く発生した理由は、既存システムの仕様どおりになっていないというものでした。
一つひとつは大きくなかったかもしれませんが、対応する数が積みあがってきて、プロジェクトの進行に影響をきたすこととなてきました。
受託側であるITベンダーは、自ら見積を提案していることも予算が決まっているのもわかってはいましたが、さすがにあまりにも仕様変更が増えたため、費用を請求することとなりました。
しかし発注側である地方自治体は当然提案された見積に基づいて発注しているため、譲りません。
受注側であるITベンダーは自ら費用を掛け対応を続けていましたが、いよいよ継続して実行することは不可能という段階に至りました。結果的にシステム開発は中断となりました。
発注側と受注側は争いましたが、追加分という契約はないため、認められていません。
しかし、一旦中断したこともあり、システム開発の完了は半年遅延となってしまいました。
事業計画として予定していたキャンペーンに間に合わせるため推し進めたシステム開発
消費財メーカーの直販サイトでキャンペーンが企画されました。
独自商品をキャンペーンに合わせて取りそろえるのと同時に、通販サイトの機能も変更を入れることとなりました。
キャンペーン全体の企画に時間を要していたため、システム開発の企画がやや遅れ気味で進められました。
ITベンダーにシステム開発を依頼した時点では、かなりタイトなスケジュールとなっていましたが、キャンペーンは決まっていたため、そのまま進められました。
システム開発プロジェクトは着手されたのですが、実装すべき仕様に決まらない部分が出てきました。ただし期間は決まっているため、決まっているところから進められました。
しかし、決まらない部分の影響が大きくなり、無理が出てきました。
結果、キャンペーンに機能開発が間に合わない、ということなってしまいました。
さらに機能要求は膨らみ、追加開発となりました。
その後キャンペーンの途中から機能リリースはされましたが、キャンペーン効果が半減となってしまいました。
さらに、追加費用がかかってしまうという、発注側としては失敗と言える状況でした。
もともとタイトなスケジュールにしてしまい、その配慮も少なく機能要求を管理できていなかったということで、受注側のITベンダーからの費用要求を飲まざるをえませんでした。
既存システムの保守期限が迫っていることは強いスケジュール制約となり、逆に問題が先送りにされることもある
広告業者にて基幹システム再構築の計画を行い、ITベンダーに委託することになりました。
発注側の広告業者にはもともと基幹システムが存在し、長年活用していました。しかし、保守期限が見えており、更新するにしてもかなりの費用が掛かりそうだということがわかっていたので、再構築を計画することとなりました。
ITベンダーに発注し、IT導入・システム開発のプロジェクトがスタートしました。
期限があることから、できるだけITベンダー提案に則り、先に進めることを優先にするという号令が出されていました。
しかし、進めていくうちに、発注側からは様々なやりたいことが出ていました。
先に進めることを優先するということにはなっていましたが、やりたいことも重要とのことで、取り組んで進めることとなりました。
さらに進んでいくと、様々取り入れた要求への対応が難しく、テストにて不具合が散見されました。
不具合の中には、高重要度のものも含まれていました。
そうこうしているうちに、既存システムの保守期限が迫り、ついには間に合わないことが発覚しました。
発注側と受注側の対策会議は紛糾し、プロジェクトは中断となりました。
困るのは発注側のほうであり、既存システムの保守期限が過ぎると保守費用が追加で掛かってきます。
この事例は、その後最悪のケースとなり、プロジェクトは頓挫しました。既存システムの追加費用を払い、使い続けることとなりました。
今回は、受注側のITベンダーにおけるプロジェクトマネジメントが不足していたという扱いとなり、かつ新システムは完成していない、という位置づけとなりました。
発注側からすると、一部金額は返ってきているものの、未完成品に対する支払いと既存システムへの支払いが発生し、新システムとして享受するはずだった機能も利用できていない、という状況となりました。
まとめ
IT導入・システム開発は事業計画を背景として、企画され、計画・実行されることが多いです。
計画・実行段階にて、既に大きな制約があり、その中で進めなければならない状況となることはよくあります。
制約として最もよくあるのは予算です。予算から1円でもオーバーすると身動きできなくなることもあります。
次はスケジュールです。ここでは、事業企画と既存システム保守期限の事例を挙げました。
何らか制約を受けて進めるのが普通のことではありますが、その制約の中で本当にできるのか、ということは始める段階でよく考えないと、プロジェクトが破綻するばかりでなく、もともと考えていた企画や計画も同じく破綻という最悪の結果となってしまいます。



コメント