IT導入・システム開発は失敗する

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IT導入・システム開発は失敗する

IT導入・システム開発の失敗とは


IT導入・システム開発はよく失敗すると言われています。50%は失敗、あるいは70%は失敗とも言われていますが、すべてのITプロジェクトにアンケートを取ることはできないため、正確なところはわかりません。

ただ、最初に思っていた通りのものができたということは、かなり少ないのではないかと想像します。

システム開発の取引においての発注側(ユーザ)と受注側(ベンダー)が争うこととなった失敗事例を独自に調査しました。約50の事例で、取引金額は2百万円から数十億円と幅広いです。最も多いのは1千万から数千万の取引です。これら失敗事例の中で、発注側と受注側どちらに問題があるほうが多かったでしょう。

答えは、受注側のほうが僅かに多かったものの、およそ半々であり、どちらにも原因があると言えます。

しかし、考えてみてください。仮に受注側に問題があるとして、発注金額を返してもらったとします。そうなったとしても発注側は、大損をしています。

なぜならば、発注側も労力を費やしていますし、発注したことの便益を得られていません。既存システムがあった場合は、その保守費用が掛かっています。既存システムの更新費用がさらに掛かるかもしれません。

しかも、半分は発注側の責任が問われることになりますので、全額帰ってくることは稀です。

IT導入やシステム開発は、お金を出して発注するのにも関わらず、自分の問題で出来上がらなかったり、さらにお金を払うことになったりするというハイリスクな行為ということです。

IT導入・システム開発は思っていたよりお金がかかる

システムが出来上がらないという最悪の事態はあまりないかもしれませんが、思ったよりお金がかかる、ということは日常的に起きます。

IT導入・システム開発は、最初にどういうことをしたいのかを決め、次にどのようなシステムにしていくかを決めます。そしてそれを実現するために設計し、構築していきます。ただ、それだけのことであるのに、そもそもどのようなものにしていくべきだったのかを見失ってしまいます。

やりたいことがいつの間にか増えてしまったり、実はもっとやることがあった、ということで金額が膨らんでいってしまいます。

発注側も受注側も問題がある可能性はあります。ただし、発注側は特によく注意を払っていないと、いいようにお金を取られてしまいかねません。

IT導入・システム開発は期待していたより使えない

IT導入・システム開発は、最初に何をやりたいかを決めて進めていきます。その何をやりたいかを実現していく行為であるにも関わらず、期待していたより使えない、という現象が発生します。

パッケージシステムやサービス導入をした場合においても、期待とのずれを感じることは発生しえます。

やりたいことは実現していると言えば実現できていても、余計に機能がありすぎて、シンプルにやりたいことをやるには複雑になってしまったり、逆に実現できているとしても使うにあたってはあまり操作性がよくなかったりと、一長一短があり、不満点が一つもないというのはなかなかないのではないかと思われます。

IT導入・システム開発は終わらない

IT導入・システム開発がいつまでたっても終わらず、最終的には頓挫した、という事例があります。最初に何をやるかを決めたはずなのに、終わりがない、というのは考えづらいことではありますが、実際に起きています。

ある事例においては、システムをつなげるという要件を満たす必要がありました。別なシステムをつなげる、というのは、仕事が自動化されるという期待が高いことではありますが、実現するには難易度が高いことが多いです。

テストでは障害が多く発生し、なんとか本番として動かしたものの、システムをつなげるために、10人ものエンジニアが毎日データを修正してつなげていました。

結果、システムは完成していないという判断となり、頓挫したということになります。その場合でも、全額返ってきたわけではありません。それでいて全く使えないものが納品されたわけですから、発注側は大損してしまいました。

IT導入・システム開発が思ったより難しい理由とは

IT導入やシステム開発を行っていく際に、始めにきちんとやりたいことを決めて、取り組んでいったにもかかわらず、途中から話が合わない、ということが多々発生します。それはかなり小さい規模のシステムであってもです。

どうして思ったとおりに実現することが難しいのでしょうか。

IT・システムは目に見えない

IT・システムは建物や製品と違って物理的には見えません。画面を描いて見せたり、デモを行って見せるということももちろんありますが、中の動きは見えませんので、あくまでも見せかけであり、本当の姿は見えないということになります。

途中段階においても、設計書といったものはあるかもしれませんが、図表や言葉で書いてあるだけですので、理解できませんし、どのように作るかを主眼にした書き方になっているので、やはり全体としては見えにくくなっています。

IT・システムは使ってみないとわからない

ベンダーの進め方がうまくて、やりたいことや実現方法についてきちんとすり合わせができていたとしても、最後は使ってみないとわからないということがあります。

論理的に理解するスピードと作業するスピードは異なります。ここを押したらこっちの画面に飛んで確認すればいいのだな、と理解はしていたものの、実際の利用シーンにあたって使ってみると、機能展開が遠回りで、使いづらいということが起きてしまいます。作業する段階では時間がかかるのでその分理解したとおりでないことへの不満の感情がでやすいです。

あるいは、大きな意味では正しいが、詳細に考えていくと矛盾が出てしまう、ということもあります。だんだん詳細化して具体化してくことになるので、見えてくるのが遅くなります。

IT・システムは変更の影響が見えづらい

システム開発を進めていくと、一度は決めたもののやはり違った、ということが起きます。それはここまで言ってきたことによるものですが、さらに厄介なのは、では一度は決めたが変えましょうとしたときに、影響が見えにくいことです。

よって、影響をあまり考えずに、変更が繰り返される事態が発生します。
IT・システムは論理的に繋がっているため、一つの変更が他へ波及してしまいます。

またうまく設計されていると、枝と幹といった区分けが発注側のユーザでもわかりやすいのですが、わかりにくくなっていることもあります。その際は、枝なので変更への影響は少ないと思ったのに、実は幹であり、全体に影響するものであった、ということが起きてしまいます。

まとめ

IT導入・システム開発は失敗することが多く、特に発注側はお金と労力をかけて取り組んだにも関わらず、恩恵を受けられないどころか、逆に多く支払うことも発生してしまう。
IT導入・システム開発は目に見えない、使ってみないとわからない、変更影響は見えづらいという特性から、思った以上に難しい。

企業が存在する理由となる強みを発揮するには独自のシステム構築が必要となります。
失敗を防ぐために学んでおきましょう。

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