ITマネジメント(ITプロジェクトマネジメント、IT保守運用マネジメント、タスクマネジメント)における課題マネジメント

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道程での課題

仕事を進めていく上では、計画を綿密に立てたとしても、計画どおりにいかない要素が出てきます。

計画を阻害するものを課題と認識し、解決すべきタスクとして潰していくことが、仕事を続行させる条件となります。

初めからすべてが見通せているのであれば課題はないと言えるでしょうが、ないというのは逆に見落としがある可能性があります。

課題は見つけるべきものとして進める必要があり、ある前提でマネジメントしていくべきです。

課題とは

課題とは計画を進めていく段階で、何らか阻害要因となっているものになります。

  •  何らかの要因で計画が立てられない
  •  何らかの要因で計画が実行できない
  •  何らかの要因で計画を終わらせることができない
  •  計画がこれでいいのかがわからない

などといったものとなります。計画がなかった場合はどうなるでしょうか。

計画がない場合は、計画を進めているという認識がないため、計画を阻害しているものという認識は生まれないでしょう。課題という言葉は使うかもしれませんが、場当たり的に対応しているということになるのではないでしょうか。

つまり、課題は計画ありきとなりますので、まずはマネジメントの土台となる計画がやはり最重要ということになります。

課題をあえて定義しましたが、実務上は何らか解決すべきことが発生したらすべて課題として認識し、マネジメントしてくべきと思います。

リスクとは

課題と似たようなものでリスクがあります。

リスクマネジメントは大げさなやり方がありますが、大規模なプロジェクトでない限りは、課題とともにマネジメントされていればいいです。

リスクは、課題と少し違うのは、未来に起こりうる課題であるということで、起きたら計画を変更せざるを得ないものということになります。

大規模災害が起きたらとか、担当者が病気になったらとか、考えていったら切りがないとこともあるのですが、ある程度考え得るものは、課題と同じようにリスト化してマネジメントしましょう。

例えば昨今であればIT機器の調達が間に合わないというリスクが考えられます。今時点では3か月先であれば間に合うと言われていても、さらに納品が遅れる可能性はあり得ます。そのような時は、納品されてからソフトウェアをインストールしようとしていたタスクができなくなり、最終的な期限も間に合わなくなるため、リスクとして捉えるということになります。

課題マネジメントとは

課題が発生したら、課題は解決していかないとタスクが計画どおり進みません。場合によっては、既にタスクが滞ってしまい、計画変更をしないといけない場面になっている可能性があります。

そのような課題たちは誰かが覚えていればよいというものではなく、放っておかれず、確実に解決に向かうようマネジメントされないといけません。

課題をマネジメントしていくには、課題を拾うこと、課題の状況を的確に押さえること、そして課題の解決のために計画されていることが必要なってきます。

課題マネジメントの方法

課題マネジメントは、認識した課題を網羅的に把握できるよう形式化するとともに、その解決に向けたアクションを段階化していきます。課題はもちろん1件ごとに誰が受け持つかを明確にしなければなりません。

誰が受け持つかを含めて、会議の場で設定することが望ましいです。そうすることで、協業化を促進できます。

課題はよく放置されがちです。というのは元々の計画タスクを進めるのが大変になり、間に合わないので集中して対応していたりすると、脇から出てきた課題タスクに手が付けられないという状況に陥るからです。

そのようなことにならないよう、見落とさない習慣を継続するためにもマネジメントしていく方法を見ていきましょう。

課題の認識

まず課題は課題として認識されていないと、課題は見逃されます。

本当は課題であるのに課題ではないと思い込んでしまって、課題に上がってこないことも起こり得ます。

そこで、課題を認識することと課題をマネジメントしていくことを、当然のように関わる人たちと共有するところから始めます。

課題の認識は計画されたタスクへの影響を考え抽出します。

そもそもそのタスクがない

タスクが進まない

タスクが始められない

といったタスクに影響があるものがすべて課題ですので、皆が認識できるようにしましょう。

また、今は課題ではないが、将来課題となり得るというものはリスクとして抽出しておきましょう。

課題のリスト化

課題が認識され、抽出されたのであれば、忘れられないようにリスト化します。

課題は多く出てくると、一つひとつがなぜ課題だったかすら忘れてしまうこともあります。

よってその手掛かりになるものは記録しておいたほうがよいです。

少なくとも発生日、関連タスクや分類、発見者、課題内容といった項目にてリスト化します。

課題会議

課題マネジメントを定着するためには、課題会議を設定することが有効です。

課題会議は、課題リストとその対応状況について確認することを習慣化することをまず目的とした会議を設定します。

その場で課題解決の議論をできる場合もありますが、課題が増加すると見込まれる場合は、課題解決会議も別に実施することになるでしょう。

課題の解決計画項目

課題の解決計画

課題リストには課題内容の記載だけでは足りません。

当然解決にあたる項目が必要となります。

解決に向けた計画となっていることで、その課題に関わるタスクが実行に向かうことになります。また計画されていることで、経過を計測することもできることになります。

課題解決のステップ

解決に向けた計画項目は、タスクのステップが必要であればステップごとに考える必要があります。

誰が、いつまでに、何を実行するかというタスクとなります。

ステップとは、段階的に何をやるかと決めることです。

まず、Aさんに知っているかを確認し、次にBさんにやり方を確認し、資料を準備し、Dさんに作業指示するといったステップになります。

課題はこれまで計画されていなかったということですから、やり方や範囲すらわからないという場合もあります。その場合は、まず調査なりを進めるわけですが、その後のステップは不明になります。不明ではありますが、ステップが見えるようにならないと解決のめどが全く立っていないことになりますので、とっかかりとなることをいち早く計画することになります。

課題が派生する場合もありますので、その時は別な課題としてリスト化されることもあります。

課題の完了予定と最終期限

課題はステップがあればステップごとに完了予定日を入れておきます。

まだ解決に向けてやるべきことが不明確であったとしても完了予定を入れます。そうしないと不明確であるがゆえに、まだやらなくていいという勘違いが起き、保留状態が続いてしまいます。

完了予定を立てて実行していくものの、やはり不明確なことが残っており完了できないということも起きます。

そこで、最終期限を認識しておきます。

最終期限とは、影響するタスクそのものに本当に影響を出してしまい、全体タスクの遅延にもなってしまうような期限になります。

課題はタスクとして認識されていなかったものなので、付随したものであることは多いのですが、いつかは大きな影響になりかねません。そこで最終期限というものも認識しておき、将来リスクに備えます。

課題の計測とテコ入れ

タスクの進め方や計画の中で、見えないものを見えるようにする期間が必要であるということを説明してきました。

ここで言う見えないものが顕在化したものが課題です。

何があるかわからないが、何かがあるということは全体として計画しておくべきです。そして、いざ開始されたら、見えなかったものを見えるようにし、マネジメントしていくということになります。

これがまさに課題マネジメントです。

課題の計測としては、まずは発生数となります。次に解決数となります。

時系列に発生数と解決数がグラフなどにしてみると、課題の深刻具合がわかります。

課題発生数が少ない

発生数が少ないのは問題です。まだまだ発見すべき課題があるのではないかという目で見て、場合によっては発見するためのタスクを実行することも考えます。

課題発生数が多い

初期段階で多いのは問題ありません。初期段階ではまだわからないことを手探りにしていることが多いので、課題数が多くなる傾向にあります。

ただし、その後発生頻度は少なくならないといけません。発生数が、時間が経っても減らない場合は、元のタスク計画に問題があるので、見直しが必要です。

課題発生数と解決数の比率

課題発生数が多くても解決も順次されているのであれば問題ありません。

課題発生数に対して解決数が少ないのは問題です。課題が残っていて、しかもどんどん積み上がってくる状態になっているということです。

元来進めているタスクもあるため課題に手が回らないということになります。

実行チーム体制に問題があるかもしれないため、見直しを行います。

重要度・優先度に応じたマネジメントとテコ入れ

課題リストの項目として、より本格的なマネジメントを行うにはさらに付随項目を追加します。

それは、重要度、優先度、影響度等です。

件数だけではわかりきらない、1件の重みも考慮した計測を行うことになります。

優先度が高ければ、未解決な状態はリスクが高いですから、いち早く対策を打たないといけません。

影響度についても大きいものは注視しないといけません。今はまだ対応しなくても期間的な余裕があるとしても、影響度が大きいものは最終期限が過ぎてしまうと、すべてがアウトになってしまいます。

課題とToDoタスク

課題リストを適切に運用していくと、課題というより既にやるべきこと、つまりタスクであるという認識になるものがあります。

やることとして認識されたのであれば、タスクとしてやればいいということです。

マネジメント上は、ToDoタスクとして、元々実行しているタスクに組み込んで実行するか、そのまま課題リストの中のToDoタスクとしてマネジメントしていくかということになります。

いずれにしろ、タスクとして計画され、実行されているのであれば、既に課題ではないと言えます。ただし、計画に組み込まれることを確認するまではリスト上から消してはいけません。

課題マネジメント上のありがちな問題

課題マネジメントは、計画上見えていなかったことをマネジメントしていくのでその手法そのものが実践にて工夫された結果になります。

そもそもイレギュラーをマネジメントしていくということですので、それでもさらにありがちな問題はあるのでしょうか。

いくつか紹介したいと思います。

本当は解決していないのにクローズされている

課題リストは課題が出るたびに積み上がってくるので、残ったものを見るのは嫌なことです。できれば無くしたいという意識は起きます。

そうであるがゆえに、少しでも解決っぽく見えるとクローズにしたい心理が働きます。

未解決数が多いと、傍から見てわかりやすいので、解決のプレッシャーも出てきます。

とはいえ、本当は終わっていないのに終わったことにしてはいけません。そんなことは起きるはずはなさそうですが、実際は起きます。

終わったつもりでも、一部分少しやるべきことが残っているとします。そうすると、その一部分が後程問題として発覚してしまうということが起きます。

課題認識が大きすぎる

課題リストは1件1件リスト化されていますが、1件が本当は3,4件に相当するということはあります。

似たような話から複数の課題に派生していることがあります。ただリスト上は同類なのでそのまま1件にしてしまっていることがあります。

確かに一つ解決すると他も解決するということはありますが、1件の認識が雑だと実態の数と合わないことになります。

課題が外にある

課題は課題なのですが、課題が今実行しているチームの問題ではなく、外の世界にあるということがあります。

その場合、解決が難しくなります。ただ難しいだけで、解決はしないと自分の課題が解決できないのですから、同じようにリストの一つとして捉えないといけないです。

解決については、中の問題よりも慎重に計画を組む必要があります。ステップも多くなりますので、重要度、影響度、優先度も高めに見るのが無難です。

そもそもの課題

現ITのサポート切れに合わせて、ITの新規導入と業務革新のプロジェクトをスタートさせたとします。

業務革新を進めていこうとしたら、まったく進まないという課題がありました。しかしその課題は大きすぎる課題です。

そもそもプロジェクトの趣旨がよくなかったのかもしれません。

しょっちゅう起きるわけではないですが、大きな改革含みのプロジェクトでは、そもそも始めたことが問題だったのでは、ということも起きます。

それでも進めなければならない時は、大きすぎる課題は置いておいて、あくまでも進めるための課題を一つひとつ地道に解決していくしかないでしょう。

リスクかただの心配か?

将来のことをリスクとして捉えて、予め先回りして対応することは、後で炎上しないために大事なことです。

しかし、リスクばかりを考えてしまうと、リスクへの備えの対応工数が大きくなりすぎてしまいます。リスクは起きるかもしれないですし、起きないかもしれません。

起きたら確かに大きな問題となることであっても、過剰にリスクとみると身動きができなくなります。

リスクと言っていたものはただの心配かもしれません。

見極めが難しいところもありますが、できる限り客観的に考えたいところです。

課題マネジメントとして本当にすべきこと

課題を的確に認識しリスト化すること、課題の状況を数値的に捉えること、そして数値の中でも1件の重みを重視することを実直に実行できれば、課題マネジメントは確実に実行できますし、最終的には課題は解決されているはずです。

課題が外の問題であったり、法律や技術上の問題であったりして、解決困難なこともあるでしょう。それらについても、やるべきことは漏れなく自分の問題として解決していくことしかありません。

課題の状況は、その仕事やプロジェクトが実態としての進捗がどうなのかを直感的に捉える手段となります。

定量的な情報だけでなく、場の雰囲気の変化なども状況を察知する重要な手段となります。そのためにも、状況を捉える場づくりを習慣化することが大事なこととなります。

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