NEXCO中日本のETCシステム障害は、結構な影響が出ていますね。
ETCは正常に動くことを前提に運用されています。交通にも多大な影響が出ます。
よって、障害が起きたとしても局所的になるよう設計されているかと思いきや、意外と大きな範囲での障害になっています。
料金未収で通しているため、その後の対応も注目されます。

ETCシステム障害の原因とは
まず、今回の障害の原因についてです。
当初、NEXCO中日本は4月5日に実施した「深夜割引の見直しに向けたシステムの改修作業」が原因であると説明していましたが、その後の詳細な調査により、この説明は訂正されました。
最新の情報にだと、改修作業が行われたシステムとは別の箇所で問題が発生したことが判明しました。具体的には、料金の課金などに関するデータのやり取りで、何らかの異常が生じたと見られています。
障害原因の詳細
技術的な詳細は、委託先企業が既存のシステムにサーバーを追加する作業を実施した際、料金の課金に関するデータが意図しない形に変換され、その結果、ETCシステムが正常に動作しなくなったとのことです。
ETCの車載器と料金所側のシステム間で、正常な無線通信が行えなくなったことが主な要因とされています。
なお、現時点では外部からのサイバー攻撃の形跡は確認されていません。
ETCシステムの構造的な問題点も
今回の障害の背景には、ETCシステムの構造的な問題点も指摘されています。
ETCシステムは、全体を統括するサーバーの下に、地域ごとのサーバーが配置され、そこから各料金所のレーンへとデータが配信される仕組みとなっています。
専門家からは、新機能が追加されるたびに繰り返されてきた「継ぎはぎ改修」が、今回の障害発生のリスクを高めた可能性も指摘されています。
ETCシステム障害の甚大な影響
次に、この障害がもたらした影響についてです。
地理的な範囲としては、1都7県、具体的には東京、神奈川、静岡、山梨、愛知、岐阜、三重、長野の広範囲に及びました。
施設への影響も大きく、17路線106カ所の料金所が影響を受け、一部のETC専用スマートインターチェンジも閉鎖されたようです。
交通への影響も深刻で、最大で約6キロの渋滞が発生し、この渋滞に絡む事故も報告されています。行楽シーズンを迎える中、物流にも大きな打撃を与えました。
利用者の方々への影響としては、ETCレーンでバーが開かず、車両が通過できない状況が多発いたしました。これに対し、NEXCO中日本では、料金所をそのまま通行させ、後日精算とする措置や、ホームページのQRコードから専用ページでの精算手続き、また、入口料金所では紙の通行券を受け取って通過するよう案内するなどの対応が取られました。
障害の経過
今回の障害発生から復旧までの時系列と対応を見ていきましょう。
4月5日の昼にETCシステムの改造作業が実施され、翌6日の午前0時30分頃には、東名高速道路の清水インターチェンジなどでETCの課金が正常に行えない不具合が発生しました。
その後、障害は急速に拡大し、6日夜までには1都6県の16路線94カ所にまで広がりました。
さらに7日未明には、4路線11カ所で新たな障害が発生し、最終的には計17路線106カ所に影響が及ぶ事態となりました。
復旧に向け、NEXCO中日本は不具合が発生する前の状態に戻す作業を実施するとともに、出口料金所のETCレーンを開放し、後日支払い手続きを求める対応を取りました。
その結果、4月7日の午後2時頃、障害発生から約38時間後に応急復旧が完了し、全ての料金所でETCの運用が再開されました。
ただし、システムは完全には元の状態に戻っていないということです。
原因の究明
この度の事態を受け、NEXCO中日本は「多大なるご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした」と深く謝罪しています。
また、国土交通省は同社に対し、早期の復旧はもとより、渋滞への対応、そして徹底した原因究明を指示しています。
さいごに
ETCシステムに関する背景情報です。
ETCは、渋滞緩和などを目的に2001年に本格導入され、2025年1月時点でのETC利用率は95.3%に達しています。NEXCO中日本管内において、これほど大規模なETCのトラブルが発生したのは、2005年の道路公団民営化以降、初めてのことです。
今後の対応として、NEXCO中日本はさらに詳しい原因究明を進める方針を示しています。また、システム技術者不足などの「2025年の崖」も、今回の問題の背景にある課題として指摘されています。なお、新たな深夜割引システムは、今年の7月頃の適用開始を目指していたということです。
今回のETCシステム障害は、私たちの社会インフラの脆弱性を示す警鐘となったかもしれません。
システム構成に問題があったかもしれませんが、詳細はわかりません。しかし、システム構成は当時に設計されたものであり、運用が継続できるかどうかは別です。
エンジニア不足により、運用・保守が継続できないのであれば、社会的な問題です。
障害時に、局所を切り離せるようにしたし、即時復旧できるよう設計しないといけないかもしれません。
ETCシステムだけでなく、システムが正常であることを前提に暮らしていることが多すぎます。エンジニア頼りでは、運用しきれないのは目に見えていますので、盤石なシステムに投資しないといけないのでしょう。


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