IT仕事を難しいものと特徴づけている物理的・環境的な理由とは

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ITにはバグがある

IT仕事は傍から見ているよりもマネジメントが難しいです。おそらくよくわからない人にとっては、ほんのちっぽけな議論に見えるものを何人かで必死に検討しているといった風景は謎でしょう。そして困難な状況に陥りやすいため、関わる人の行動も特徴的となります。

その特徴的な行動の多くがITマネジメントを阻害する要因となります。

マネジメントを阻害する要因は関わる人の特徴から来るものですが、そのような行動を作り出しているのは、ITそのものの物理的もしくは環境的な理由からです。

それらの理由を見ていきましょう。

まずは、ITそのものの特徴があります。であるがゆえにITに関する仕事にも独特さが出てきます。ITに関する仕事に独特な特徴があることから、IT仕事に関わる人は、立場として独特な立ち位置になります。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

ITそのものの特徴からくるもの

IT・システムは目に見えない

ITそのものの特徴として、IT・システムは目に見えないということがあります。

サーバやPCなどの箱があったり、画面があったりはしますので、目に見えないことはないと言われそうですが、見えているはほんの一部分のみであり、内部の仕組みのほうがはるかに膨大です。

見えないということは、大きさや複雑さがわからないということになります。このことは最も特徴的なことであり、他のものとは大きく違うところです。このことによって関わる人は様々な誤りを起こし、翻弄させられる原因となります。

中味が伝わりにくい

目に見えないということと似てはいますが、違うのは、自分は仮にわかっていたとしても他人に伝えるのが難しいということになります。

自分が中味や全容をわかるのも一苦労ではありますので、自分が対処していくのも大変ではあります。しかし、自分を超える仕事量となった時には、必ず他人に伝えるということが発生します。伝える際に、この伝わりにくいという特徴のおかげで、受け取ったほうに漏れや誤りが必ず発生してしまいます。

影響が見えない

目に見えないということからくるとも言えますが、ITに対して何かを行った時の影響が見えないという特徴があります。

であるがゆえに、何か改修を加えようとしても、どこまで影響するのかわかりませんし、誤りを直しても別なところで誤りが出てきてしまうといったことも起きてしまいます。

必ずバグがある

バグ、つまりはシステムとして何らか完全でない部分がある、ということも特徴です。

PCやスマホのOSのような基本的なITであっても、バグは発生し、修正を繰り返しています。

汎用的に広く長く使われているにも関わらず、バグは発生しているので、一般的にITはバグは必ずあると言っていいでしょう。

この完全でないということが、いつ不具合を発するかわかりませんし、潰すのに労力がかかりますので、関わる人の行動に影響するのも理解できるでしょう。

ITに関する仕事の特徴からくるもの

他の仕事もやっている

仕事の環境そのものからくる特徴です。

IT仕事は細かいものや技術的なもの、突発的なものなど、多岐にわたる仕事となります。

現状のITを面倒みている中で、新たな対応や新規にIT導入をしたい、といった案件にも関わっていくことになります。多くの人がマルチに仕事している状況下では、行動に制限がかかり、ITマネジメントに影響することはあるでしょう。

突発的に問題や要求が発生する

ITそのものの特徴としてバグが必ずある、ということがありました。

また影響が見えないというものもありました。

したがって、何か障害があった場合、突発的に起きたにも関わらず、即対応しなければならないことが多く発生するということになります。しかも、身構えているとは限らない時にこそ、その時はやってきます。

また、要求に関しても同じように起こります。エンドユーザはITの中味や影響が見えないため、影響を考えずに要求を出してくることがあります。ビジネスにとって重要であれば優先順位を突然上げざるを得ません。

やりたくもない仕事が増える

突発的ではないのですが、自らがニーズを作り出したわけではなく、仕方がなく対応するものがあります。

ハードウェアやソフトウェアの保守期限対応・バージョンアップやセキュリティ対応などです。

このような仕事はITベンダーなどの供給側にとって都合の良いビジネスであり、ユーザにとっては余計な仕事です。しかし、ITの面倒を見ないといけないスタッフにとっては、やらなければならない仕事です。

このような前向きとは限らない仕事が実際は半分以上、場合によっては8割となっています。行動にも影響が出ることは想像できます。

関係が深いものを個々に進めている

スタッフや外注も含めて複数の人で仕事している前提とはなりますが、一つの案件を進めるにあたっては、それぞれが仕事を分担して進めるでしょう。しかし、ITは複雑に複数の事象が絡み合って影響しあうことが多いです。

そのように関係が深いものを同時に仕事しているにも関わらず、個々に進めているためお互いが理解できておらず、結果完成間近で矛盾にぶつかったりします。

正解がある

ビジネスということでは、正解はないなどと言われることがあると思います。

どのような需要がありテスト的にアプローチしたり、アプローチが決まったとしても、すぐにまた環境が変わり見直しが入ったりと、何をやるかはいつまでたっても正解ではないのかもしれません。また、結果を振り返っても、やったことが本当に結果をもたらしたかはわからないことがあります。

ITについても、どのような使い勝手であれば利用率が上がるかといった観点はありますが、現状のITを面倒見るにあたっては、正常に動くという正解しかありません。

また新たにIT導入・システム開発をするにしても、後から改良・追加をするにしても、一定期間に仕上げることは一旦決定するはずです。よってやることに正解はあります。

ただし、ITそのものの特徴によって、見えにくかったり、影響が見えなかったりしますので、正解があるにも関わらず、たどり着かないという焦燥感に駆られることがあります。

このような仕事を実施している人の行動はどうなっていくでしょうか。

やろうと思えば簡単に修正・コピーできる

ITそのものの特徴としてデジタルであるということがあります。コンピュータ上の情報であることからコピーが可能です。

ただし、情報の一貫性や単独性を確保するための仕組みは当然ありますし、重要性を増しているのは間違いありません。

コアな部分に関わっているエンジニアであればできることでもありますし、イメージとして簡単にコピーや修正ができてしまうのはあるでしょう。

そのことによって、受ける影響としては、ひとつは、周囲から簡単に思われてしまうということがあります。もうひとつは、自分が簡単と勘違いしてしまう、ということがあります。

本当は複雑かつ期間も要してやらないといけないことを、簡単に考えてしまうことの弊害は想像つきますでしょうか。

問題は一旦収束するが時間が経ってまた現れる

特に大きな改変がある場合、必ず問題は積みあがります。問題を潰すために多くの労力を要したり、休日を使うこともあるかもしれません。しかし、一つひとつ潰されていけば、いずれは収束します。

問題発生時も収束時もその時のイメージが関わる人に影響を与えます。

つまり、問題発生時は問題発生時であることが、収束時は収束時であることが、通常の状態と認識してしまうということがあります。

収束時は平和に過ごして先のことを考えていないかもしませんが、いずれまた来る問題発生に対しては何も考えていないので、その時には大慌てで対応することになるでしょう。

ITに関わる人の立場的特徴からくるもの

よく知っている人は限られているかいない

ITの多くは中味は複雑でありながら、よくわからず、何かをした場合に影響が見えないです。

そうであるがゆえに、中味をよく知っている人は限られます。大抵は導入したときに対応した人が一番詳しいということなりますが、導入後の平常時にはその人は既にいないことのほうが多いでしょう。

面倒を見ているスタッフからすると、何かイレギュラーなことが起きてしまうと本当に困ります。どのような仕組みかはわかったとしてもどのような目的でそうなっているかは、現状からは読み解くことが難しいです。よって対応するにも応用が利かないことなります。

何が起きるかわからない状況下では、無難な方向に寄るのは想像ができます。

主役ではない

ITを導入することやDXを推進するといったことをきっかけにビジネスを根本から再構築し飛躍する、といったことが言われることはありますが、いかにも主役になったかに見えるITは主役なのでしょうか。

ITはかなり重要な位置づけであることは変わりないでしょう。ただし既存のITの面倒を見て、新たなITの導入を考えて、といったITに関わるスタッフの仕事は決して主役ではありません。

主役はあくまでもITを利用してビジネスを推進する側です。

とはいうものの、重要性が増しているため困ったものです。

ITが主役になるというのは本末転倒です。主役と思っていたらベンダーのセールストークを鵜呑みにしているだけです。

しかし、ITに関わることであれば主導しないといけません。主役でないのに主導する難しさはわかりますでしょうか。

感性や感情は不要

ITはものです。AIという領域が出てきて人間の思考に近づいている印象もありますが、あくまでもものです。

ものの中でも見えないことが多いため、やっかいなものです。

やっかいではあるものの、正しく動き、正しく使うという意味での正解はあります。

そのようなものを相手にしている人たちは、正解に向かって動くのであって、感性や感情とは無関係のところにいます。

WEBサイトなどは見た目でユーザが動きますので感性も関係ありますし、感情も動きます。ただ、WEBサイトがITかと言われると、やはりロジックではなくコンテンツである、ということから考えると、ここではITとば別ものと考えることとします。

ロジカルなものを相手にしている人は、ロジカルにのみ判断を行っているかというと、そうでもありません。むしろ逆になってしまうのではないでしょうか。つまり、感性や感情が不要な分、感性や感情に訴えるものに弱い傾向があるのではないでしょうか。

形がないものにそれらしい絵を見せて提案してくる人は多くいるのではないでしょうか。会議上でもエンドユーザの感情に影響を受けていることはあるのではないでしょうか。

最もできない人につき合う

必要なITを考え、導入を完遂できた人はどんな人でしょうか。ビジネスに関連したエンドユーザのことも考えたうえで、仕組みを構築し、導入するということは、それほど簡単なことではないはずです。調達金額も高くなっていることからしてもわかります。

しかし、導入後の完全な状態とはどういう状態かわかりますでしょうか。

何のトラブルも発生せず、何の問い合わせも発生しない、静寂な状態ではないでしょうか。

実際そのような状態になるまでどのような苦労があるでしょうか。問い合わせに最後まで対応しているときの状態とはどういう状態でしょうか。

皆はもうとっくに理解しきっているのに、何でもかんでも聞いてくる人とはどういうひとでしょうか。

ITを考え導入してきた人は、何でもかんでも聞いてくる最もできない人とのつき合いが最後の仕事となります。

こうなることはある意味わかっていて予めコールセンター対応に切り替える計画を立てたりしますが、そのような大きなITでなければ、一生懸命やった人ができない人への対応に追われることになります。行動にも影響してくるのではないでしょうか。

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