IT導入・システム開発失敗の原因は、そもそも提案されたものの中にあった

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ITコンサルタントからの提案


IT導入・システム開発はIT担当者が不在であったり、あまり経験がなかったりすることも多いため、コンサルタントにITシステムの構想を一緒に考えてもらうことがあります。

あるいは、やるべきことを提案依頼としてITベンダーに示し、ITシステムとしてどのようなものを実現すべきかを提案を受けてから進める場合もあります。

どちらのケースも、これから作る段階の前段階、すなわち構想や企画段階と言えます。この構想・企画段階において、言ってみればプロと言われる人たちに頼んだにも関わらず、その後そのとおり実施していったら失敗した、ということが発生します。

せっかく頼んだのに、と思われるかもしれませんが、人に頼んだから失敗したとも言えます。
プロに頼んだにも関わらず、失敗してしまうとはどれだけIT導入・システム開発は難しいのでしょうか。すべてのIT導入・システム開発が難しいとは言いませんが、難しくなってしまうこともありますので、いくつか事例を見ていきたいと思います。

コンサルタントに構想・企画段階からお願いし、その後ITベンダーにお願いしたら完成しなかった

食品製造業が在庫管理システムの構築を検討していました。この企業はITシステムを担当するものがおらず、発注もかなり前にしたことがあっただけであったため、コンサルタントに業務分析と要求定義をお願いしました。

コンサルタントは食品業界にある程度知見があり、話も通じ易く、比較的順調にことは進められました。

今回の発注規模はそれなりに大きくなりそうであったため、段階的に発注することとなりました。
コンサルタントを信頼していたため、ある程度設計と言える段階まで発注することとしました。この発注を基本設計への発注としました。

基本設計まで進んでいると、画面機能のイメージや処理条件イメージまで示されていることになります。コンサルタントはもの作りまではできないため、その後はITベンダーに発注することになりました。

ほぼ出来上がっていると安心していたところ、進めていくうちに問題が多々発覚してきます。
コンサルタントが作成した基本設計には、ITシステムとして実現するには矛盾があり、実現するには相当複雑な操作と処理ロジックが必要となってくることがわかりました。

結果的にはこのコンサルタントは業務内容と実現したいことは理解していたのですが、ITシステムの設計経験はなく、在庫管理が簡単になったり、自動的に補充依頼が作成されたり、伝票情報が連動されたりと、いいことばかりを謳って、実現性が低いことが設計に含まれていたことになります。

このITシステムの開発は大幅に遅延してしまうことになりました。

ITベンダーが提案したパッケージソフトを前提としてIT導入を進めたが、やっぱりだめとわかり計画変更、結果大幅予算超過により頓挫

地方金融機関が既存のITシステム刷新を目指して、大手ITベンダーに提案を依頼し、プロジェクトに着手しました。

発注側としてはITベンダーが提案したものであるから、何の疑いも持たちませんでした。ところが、提案したパッケージソフトウェアは導入実績はあったものの、発注側の金融機関の現行業務の領域をカバーしないことがわかってきました。

受注側のITベンダーは、まだ要件定義段階であることからパッケージソフトの変更は問題ないとして、別なソフトウェアで進めることとしました。ところがそうこうしているうちに、コストが超過していくことになり、収拾がつかなくなっていました。

結果このITシステム導入プロジェクトは頓挫することとなりました。

提案段階ではまだ不明確な部分は多いものの、そのリスクを的確に説明する責任があるのは受注側であるITベンダーのほうです。
提案の実現性についてリスクがないのかを発注側のほうも確認しないと危険ということになります。またリスクがないかどうかを確認し、リスクに対して、どのようなことになるのかまで、ITベンダーに確認しておくことが肝心となります。

まとめ


IT導入・システム開発を依頼するにあたって、まだこれから始めるという段階から人に依頼することがあります。

ITベンダーやコンサルタントにITシステムの構想や企画段階で参加してもらい提案を受けたにも関わらず、その後進めていく段階でうまくいかなくなることがあるのでしょうか。

実際はあります。それは、抽象化された見えている部分が一部でしかなく、実体ははるかに大きく、お互いの考えている世界が実は一致していないからです。

見えている部分を前提として意見合意しているだけで、まだ見えていない部分が一致していくようになるには時間がかかります。よっていくらでも時間をかけてよいというものでもありません。

発注側と受注側はお互いの意思の下動く相対関係となります。よって溝が埋まるよう密にやりとりをすることも重要ですし、まだ見えていない部分について、失敗の種が埋まっていることもあると認識しながら進めたほうがよいということになります。

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